ホコリと思いきや白髪。
29歳女子。
つわりが少し落ち着いたのをみはからって洗面所で前髪を切りそろえておりました。
おや、ストレートの前髪になんか目立つホコリが乗ってる…と思い、はらおうとしたけれどなかなかこびりついててはらえない。
よく見てつまんでひっぱると、イテ、皮膚から生えてました。
白髪ではないか。しかも、ほよよよーんとうねり、目立つホコリにしか見えない白髪。そして前髪のど真ん中。
そうか…そんなときがきたのかぁ…。
白髪と言えば、体質によって中学ぐらいから普通にある子もいるのでそんなにめずらしいことではないと思うのですが、
今まで一本も見当たらなかった女子にとって、静かな衝撃を与えられるものでした。
思えばいろいろあった。
いろいろありすぎて、今の平穏が嘘のような時代もあった。
自分が体験したり苦しいと感じてきたすべてのこと、
なんとなく消化しながら生活してはいたけれど。
でもこの白髪が。
それでもわたしって本当に生きてる、と証明してくれたような気がしました。
どうしようもない疫病神のような自分を、あ、でも認めていいんだなーと思えるきっかけをくれたような。
わたしも歳とった。
時代はめぐる。
わたしも時代の中のただの人。
そうなんだなあーーと、不思議ですが思えた瞬間なのでした。